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時間がたった服の油性ペンキの落とし方!乾いた状態でも大丈夫?

「自分の好みに合った色の家具で家を居心地よくしたい」「自宅のスペースにぴったり合った収納を使いたい」そんな願いをかなえるものとして、DIYが人気です。今は、ホームセンターなどで材料や塗料も気軽に買えるようになりましたね。

しかし、DIYの作業中に服についてしまった油性ペンキの汚れ。時間がたったものだけど、できるなら落としたい。こんなことってありませんか。

ここでは、油性ペンキの特徴、油性ペンキがついてから間もない時の落とし方と時間が経った油性ペンキの落とし方について、ご紹介します。

油性ペンキの特徴

油性ペンキには次のようなものが含まれています。

①顔料
ペンキの色にあたる素材です。色付きの粉末です。

②樹脂
ペンキが固まるための素材です。ウレタン・アクリル・シリコンなどがこの機能をもっています。

③硬化剤
樹脂を固めるための成分です。

④添加物
ペンキを塗りやすくする成分です。防カビ剤・たれ防止などのために入っていることもあります。

⑤溶剤
①~④の素材を混ぜ合わせるための素材です。この溶剤が油性・水性を分ける大きな特徴になっています。油性ペンキの場合、シンナーなどの有機溶剤が使われています。水性ペンキの場合はこの溶剤が水でできています。

服についたペンキを落とすためには、硬化剤を緩めて、顔料の粉末を除去することが必要です。顔料は溶けませんので、叩き洗いやこすり取ることがペンキ落としには有効です。

服の素材の確認

まずは、ペンキを落としたい服の素材を確認しましょう。洗濯表示を見て、水桶の記号にバツ印がついていないか、確認してください。もし、ついている場合は水洗いができませんので、クリーニング店に相談してください。

また、ペンキを落とすために使うものの中には、色落ちが心配なものもあります。試しに目立たない部分に洗剤などをつけて、色落ちを確認します。

ペンキを使う時には、汚れてもいい服装に着替えていることがほとんどだと思いますが、子どもが触れてしまった、など、高価な衣服に油性ペンキが付着することもありえます。絶対に傷めたくない大切な衣類のペンキ落としは、迷わず専門家に依頼しましょう。
3.ペンキが乾く前
油性ペンキは乾く前であれば、落とす難易度は低くなります。そのため、ペンキがついてまもない時の落とし方もご紹介します。

①台所用中性洗剤を使う場合

作業中はできたら、水は流しっぱなしにしておきましょう。洗面台などにペンキをつけることを防ぐ効果もあります。

スポンジや歯ブラシに台所用の中性洗剤を付けて、ペンキの付いている部分に押さえつけます。印鑑を押すときのように、重さをかけて洗剤を浸み込ませるイメージでおこなってください。中性洗剤が繊維に浸み込んだら、ペンキを掻き出すようにスポンジや歯ブラシで叩き出します。

色が落ちたら水洗いをします。その後、色移りを避けるために、単品で普段通りの洗濯をしましょう。

②クレンジングオイルを使う場合

ペンキ部分にクレンジングオイルを付けて揉みます。ペンキが浮いてきたら、すぐに水で流します。できたら、水は流しっぱなしにしておきましょう。この動作を繰り返します。

色が落ちたら、単品で普段通りの洗濯をおこなってください。

時間がたったペンキの落とし方

油性ペンキが乾いてしまっている場合、汚れ落としの難易度はかなり上がります。ペンキを完全に落とすことは難しいですが、薄くすることは出来ます。乾いた油性ペンキを落とす方法をご紹介します。

①除光液・ベンジンを使う場合

除光液・ベンジンなどは、服の色を落としたり、素材を傷めることがあります。そのため、色落ち等しないかを確認します。白い古タオルなどに除光液・ベンジンをしみこませ、服の裏の縫い目など目立たない部分を軽く擦ります。この時、タオルに色が着くようでしたら、除光液・ベンジンは使えません。別の方法にするか、クリーニングの利用を検討してください。また、「アセテート」や「トリアセテート」といった半合成繊維を使用している衣類だと、除光液で生地が溶けてしまうことがあります。こちらの場合もクリーニングを利用しましょう。

ベンジンは揮発性の液体ですので、換気が必須です。窓を開けたり、換気扇をまわしておきましょう。

素材が傷まないことを確認したら、ヘラなどで乾いたペンキを削り落とせないか試してみます。ここで、いくらか落ちれば、その後の作業が楽になります。

ティッシュなどにベンジン等を少量しみこませ、ペンキのついている部分に当てて、重さをかけて浸み込ませます。浸み込んだら歯ブラシなどでペンキを掻き出すように叩き洗いをします。ペンキがおちたら、水洗いをし、単品で普段通り洗濯します。

②市販のうすめ液(シンナー)を使う場合

薄め液を使う場合でも、素材が傷まないかの確認をします。①の方法を参考になさってください。また、換気にもご注意ください。

ペンキ汚れの下に古いタオルなどを敷きます。ペンキ汚れ部分にうすめ液をつけて、下のタオルにペンキを移すイメージで歯ブラシなどで叩きます。

このとき、ゴシゴシとこすると素材を傷めたり、逆に繊維の奥にペンキを押し込んでしまう恐れがありますので、軽く叩くような感じで行います。

ペンキが浮いてきたら、ぬるま湯で洗い流します。これを繰り返します。その後、単品で通常通りの洗濯を行ってください。

③スティックのりを使う場合

スティックのりに含まれているPVA(ポリビニルアルコール)には、油性成分を分解する働きがあります。

ペンキ汚れにスティックのりを塗り、十分に乾燥させます。乾いたらペンキ部分をこするとペンキ汚れと乾いたのりが剥がれ落ちます。

水洗いしてから、単品で通常通りの洗濯を行います。

まとめ

  • 油性ペンキは溶剤に水をつかっている水性ペンキと異なり、溶剤にシンナーなどの有機溶剤が含まれている。
  • 服についたペンキを落とす前には素材を確認しよう。
  • 油性ペンキがついてすぐの場合と時間がたったものは、落とし方が異なる。
  • 時間が経った油性ペンキを完全に落とすことは困難。
  • 油性ペンキ落としには、ベンジン・除光液・うすめ液・スティックのりが使用できる。

いかがだったでしょうか。時間がたった油性ペンキの汚れを完全に落とすことは難しいですが、いろいろな方法で薄くすることは可能です。お役に立てば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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